【ヴィーガン大全】ヴィーガンは意味ない?【食品業界歴9年が徹底解説】

ヴィーガンって最近よく聞くけど意味あるの?何のためにやってるの?

ヴィーガンって野菜しか食べないの?肉食べないとか大丈夫?興味あるけど肉は食べたいよな…

そもそもヴィーガンとベジタリアンって何が違うの?

こんな疑問を抱えていませんか?

ユウイチロウ

最近、よく聞く「ヴィーガン」とは何者なのか。僕も仕事でヴィーガン向け商品開発の依頼が増えたりしています。
ヴィーガンの意味付けやメリット、デメリットについて食品開発歴9年の僕が徹底解説します。

✔本記事の内容

  • ヴィーガンの意味、定義を再確認
  • ヴィーガンのメリット・デメリット
  • ヴィーガン向けの代替肉の進化

✔参考文献

今回はをベースにしつつ解説していきます。なるべく文献や根拠記事に基づいた発信をしたいからです。

それではぜひ最後までお読みください。

目次

ヴィーガンとは

ヴィーガンとベジタリアンの違い

ヴィーガンの意味や定義を語る上で、まずベジタリアンの話をしてみましょう。ベジタリアンとヴィーガンは似て非なるものだからです。

ベジタリアンという言葉は19世紀のイギリスで作られた言葉で「心身共に健康で生き生きしている」という意味のラテン語Vegetus(ベジタス)が由来になっています。

1847年、初期キリスト教の影響を受け「肉や魚は食べず、乳製品や卵の摂取は本人の選択に任せ、穀物、野菜、豆類の植物性食品を中心とした食生活を行う」運動が広がり、英国ベジタリアン協会が発足しました。

» 詳しく知りたい方は英国ベジタリン食品調査を参照してくださいね。

その後、ベジタリアンを日本語に訳す時に「菜食」としてしまったことから「ベジタリアン」=野菜を食べる人といった認識が広がったと言われます。真の意味は「心身が元気になる食事をする人」という意味です。

一方、「ヴィーガン」は英国ヴィーガン協会を設立したドナルド・ワトソンによって名付けられました。1944年に英国ベジタリアン協会会員の中で、乳製品や卵を食べずに植物性食品しか食べない人たちが集まったことがきっかけとされています。

名付けた背景は、「全ての動物の命を尊重し、犠牲を強いることなく生きるライフスタイル」です。

なので、ヴィーガン協会は肉だけでなく卵や乳製品などの動物性食品の摂取に反対する人たちで結成されたのですね。

ヴィーガンとベジタリアンのタイプ分け

実はヴィーガンとベジタリアンにはタイプ分けが細かく決まっています。参考文献を元に順番に解説していきますね。

ヴィーガンのタイプ分け

  1. ダイエタリーヴィーガン:植物性食品しか食べないが、衣料品などについては植物性製品にこだわらないタイプ。
  2. フルータリアン:植物が収穫後も死滅しないように実や葉だけを食べ、根などを食べないタイプ。
  3. オリエンタルヴィーガン:植物性食品に中でも、ニラやにんにくなどネギ科の植物を避けるタイプ。
  4. エシカルヴィーガン:食事だけでなく化粧品や衣服などの生活用品全般で植物性のものを使用し、毛皮やダウン、皮革、ウール、シルクなどの製品を使用しないタイプ。

ヴィーガンと言っても多くのタイプがありますよね。

特に動物の生命を尊重することを念頭においているので、食だけでなく衣料品も含めてその価値観が細分化されています。

ベジタリアンのタイプ分け

  1. ヴィーガン(完全菜食):米、小麦などの穀物や、豆、野菜などの植物性食品のみを食べ、畜肉、魚、卵など全ての動物食品の他、はちみつも食べないタイプ。
  2. ラクト・ベジタリアン(乳菜食):植物性食品に加えて牛乳や乳製品(チーズ、ヨーグルト)などを食べるタイプ。
  3. ラクト・オボ・ベジタリアン(乳卵菜食):植物性食品と乳・卵を食べるタイプで、欧米のベジタリアンの大半が該当する。
  4. ペスコ・ベジタリアン(魚乳卵菜食):植物性食品と乳・卵・魚を食べるタイプ。このタイプには植物性食品のほかに魚を食べるが、乳・卵は食べない人たちがいる。
  5. ボーヨー・ベジタリアン(鶏魚乳卵菜食):植物性食品と乳・卵・魚・鶏肉を食べるが、豚や牛などの畜肉は食べないタイプ。

※国際ベジタリアン連合や英国ベジタリアン協会は④と⑤をベジタリアンと認めていませんが、一般にデミベジと呼ばれ、アメリカでは①〜⑤までのメニューに対応できるデミベジ・レストランが流行しています。

実はベジタリアンの中で、完全菜食なのがヴィーガンなんですね。

食べる動物性食品の種類によってかなり細かくタイプ分けがされています。僕はこれを知った時、ヒンズー教やイスラム教などの宗教的なイメージを感じました。宗教的に牛や豚を食べないことがありますので。

タイプ分けのポイントは乳製品、卵、魚、鶏肉を食べるか食べないかです。

結論、ヴィーガンはベジタリアンの中でも完全菜食を貫いていることが理解できますね。

ヴィーガンが注目される理由は環境問題

ヴィーガンが注目される理由は単に完全菜食主義者というイメージだけでなく、ヴィーガンが環境負荷の少ない地球にやさしいライフスタイルだという考えが浸透してきたからです。

実は食肉産業は環境負荷の大きい産業だという認識が広がっています。

牧場を作るための熱帯雨林の伐採や飼料、肥料の生産や輸送などで排出する温室効果ガスの割合(18%)は、自動車などの輸送機関で生じる温室効果ガス(13%)を上回ることが分かっています。

このような事実はもちろんテレビなどでは放送されません。理由は、大手食肉メーカーなどがスポンサーとなっておりテレビ局はスポンサーからお金をもらっているので簡単には報道できないんですね。

詳細は中田敦彦のYouTube大学でも解説されています。

2020年のアカデミー賞のおもてなし料理に100%ヴィーガン食が提供されたこともあり、アメリカ、イギリスを筆頭にヴィーガンが注目されました。

実際に、ヴィーガン先進国と言われるイギリスではヴィーガンが2006年から2015年までの間にヴィーガン人口は3.5倍に増え、約54万人に達すると言う調査結果が公表されています。

ヴィーガンのメリット3つ

ヴィーガンマーケットの拡大

実はヴィーガンと言っても、本当はお肉を食べたいというニーズがあるんですね。そこで2021年、要注目の代替肉がヴィーガンの潜在ニーズを満たすことが予想されます。

代替肉とは、畜肉を使わずに植物性食品の大豆などを使った肉や培養肉のことで。詳しく知りたい方は以下、解説記事で勉強してみてくださいね。

代替肉のマーケットは拡大予測がすでに報告されており、各社がしのぎを削って製品開発を進めています。

ヴィーガンは環境問題を救う可能性あり

次に、環境問題の解決です。

植物性素材で肉を摂取することで、これ以上に牛や豚をたくさん飼育する必要はなくなるはずですし、畜産のための森林伐採も抑えられるかもしれません。

投資も含めて代替肉マーケットにお金が集まったのをきっかけに環境問題の解決は現実見を増してきたと言えるのではないでしょうか。

人間は残酷なもので、環境問題は解決した方がいい、温室効果ガスは減らした方がいい、と分かっていても各々の立場や利権、しがらみのせいで環境問題解決は進みませんでした。

しかし、代替肉マーケットの拡大、ヴィーガン人口の拡大によりお金が集まることで今回は各社の利権が大きく変わろうとしています。

特にビーガンブランドである、アメリカベンチャー企業のインポッシブルフーズやビヨンドミート(植物性代替肉を作っています)にGoogleなどのいわゆるGAFAが大きな投資を進めていることは大きいんですよね。

最近注目の2025年を制覇する破壊的企業にもインポッシブルフーズは掲載されており、2025年には植物性の代替肉が一般化するかもしれません。

ヴィーガンは食糧問題を解決する可能性あり

大量の肉を生産するにはかなりの穀物を消費します。

国連食糧農業機関(FAO)などの統計によると、1,000平方メートルの土地から得ることのできるタンパク質は、大豆で39.9kg、牛肉で2.2kgといったように大豆は牛肉の20倍近くも効率よくタンパク質を得ることができるんですね。

肉食1人分の食事は、菜食20人分の食事に匹敵すると言われたり

現在、世界の飢餓人口は約8億2,000万人なので9人に1人が飢餓に苦しんでいます。実は、食べ物が足りていないわけではなく平等に分配されていないからなんですね。

さらに、2062年には世界人口は100億を超えるという国連の予測もあることから、食糧事情を考えるとヴィーガンのライフスタイルは時代のトレンドになると考えられています。

ヴィーガンのデメリット3つ

ヴィーガンは栄養バランスが悪くなる可能性あり

菜食だとタンパク質不足を招くと言われたことがあります。

やはり植物性タンパク質だけだと限界では?みたいなイメージもありますよね。

しかし、ハーバード大学医学栄養科のステア教授によると、タンパク質をヴィーガンは平均83g/日、ベジタリアンは平均98g/日とっていて、米国成人男性の平均の72g/日を超えてタンパク質を取っていることが分かっています。

» 気になる方は参考文献をどうぞ

一方、ヴィーガンの栄養問題で最も注視されているのが、ビタミンB12不足です。ビタミンB12は体内で赤血球を作る際に必要な補酵素なので、不足すると貧血の症状が現れます。

詳細は文教大学教授の岩井先生のコメントを参照してみてくださいね。

まだ結論は出ていないみたいなのでここではコメントできないですが、ヴィーガンという生き方は食生活に偏りがでるのは間違いなさそうですね。

なので、僕はヴィーガンではないですし肉も普通に食べます。しかし代替肉も気になっています。

ヴィーガンに関する正しい情報は少ない

1つ目のデメリットにも書きましたが、ヴィーガン生活を送ることによる栄養面や健康面に及ぼす影響はまだ分かっていないことが多々あります。

従って、「完全に菜食主義になります」というより、少し肉を食べない日を作ってみるとか、興味がある人はそれぐらいのスタートでよいのではないでしょうか。

いずれにせよ、食に関する健康情報は科学的根拠があるものでも急に間違っていたみたいなこともあるので、個人的には偏食し過ぎることは良くないかなと思っています。

少しでも環境問題や食糧問題に興味があり、ヴィーガンに挑戦してみたい人は、まずはベジタリアン向けの料理を食べてみたりして楽しんでみる程度がいいでしょうね。

日本でもドトールコーヒーが大豆ミートバーガーを開発しているのでおすすめです。

ヴィーガン食を準備するのが面倒

アメリカではヴィーガンやベジタリアン向けのレストランも増えつつありますが、例えば、家族の中で1人が急にヴィーガン食にしたいってなると準備が大変になります。

完全菜食となると、卵や乳製品も使えないのでメニューに幅が出ないですし、食材を準備するのも大変ですよね。

なので、ゆるい感じでヴィーガン食を週1回食べてみるなどまずは体験してみる程度がいいのではないでしょうか。

「ミートフリーマンデー」なんて考え方も提唱されていますよ。

家で食べるなら大塚食品のゼロミートが準備もカンタンでおすすめです。

ヴィーガンのまとめ

いかがでしたか?

今回は2021年、要注目のヴィーガンに関して解説しました。

まとめると、

  • ベジタリアンの中でもヴィーガンが完全菜食というカテゴリーにタイプ分けされること
  • ヴィーガンは環境問題をきっかけに注目され、代替肉マーケットの拡大や食糧危機の解決が期待されること
  • ヴィーガンに関する健康や栄養に関する情報はまだ正しいものが少ないこと

以上を中心に解説してきました。

今後どんどん注目されていくと思いますが正しい情報を収集しつつ、誰かに強制するわけでもなく、まずはヴィーガン食を楽しんでみるスタンスで良いのかなと思います。

食は美味しいや楽しいといった気持ちを誰かと共有することで大きな価値が生まれます。僕も9年間食品開発をしてきましたが、美味しさだけじゃない価値はますます大きくなっていることは確かです。

誤った情報に気をつけつつ、興味のある人はヴィーガン食を楽しんでいきましょう。

今回は以上となります。

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